マダオの感想日記

まるでダメなお兄さん、略してマダオな大学生が、読んだ本や、鑑賞したアニメの感想を書きます

愚者のエンドロール(米澤穂信) 読了

今回は、先日ご紹介した「氷菓」から始まる「古典部シリーズ」の第二弾である本書を紹介します。

 この作品は、前作と比べ、よりミステリー色が強い作品に仕上がっており、読者の年齢層は上がったのではないかと感じました。

 

 文化祭の準備が盛んに行われている夏休み終盤、奉太郎たち古典部は、2年F組の入須先輩の誘いを受け、クラス制作の自主映画の試写会に行きます。しかし、映像は、密室で少年が殺害されたところで終わってしまいます。肝心の犯人、手段は不明のまま。

古典部のメンバーは、オブザーバーとして企画に参加し、結末を推理するが・・・

物語の途中で、入須先輩が奉太郎に向かって、スポーツのたとえを交えながらこう伝えます。

「誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。・・・・・・見ている側が馬鹿馬鹿しい」 

 こう伝えられた奉太郎は、もしかして自分には探偵役の素質があるのではないかと思い、自信を持ち、見事結論を導き出します。しかし、この「にわか仕込みの自覚」は、すぐに崩れ落ちるのでした・・・

 

今回は、奉太郎が自己と向き合う描写が多くありました。自分では自分のことを「普通の人間」と思っているが、それは必ずしも、客観的な評価ではなく、実は自身の才能を自覚していないだけなのではないか。それは、才能がない、本当に平凡な人から見たら、とても「辛辣」なことなのではないか。

僕の周りにもそういう人がいますよ。「こいつめっちゃ才能あるな」って思うけど、当の本人は「運だよ運。」とか素で言っちゃうんですよねー。それって、実はとても残酷なことですよね。どんなに努力しても、才能ある人には勝てなくて、当の本人は、「運」とか言っちゃうんですもんねー。ほんと無自覚は罪だと思います笑。

 

今作も、200ページ前後と薄いので、すぐに読めちゃいます。また、ホームズの作品についても触れられているので、ホームズ好きの人とかは読んでみると面白いと思います。

余談ですが、アニメでは、酔っぱらった千反田さんが、とーってもかわいく描かれていますので、よかったら観てください!

 

P.S. 本当に関係ないのですが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバム「ソルファ」が、リテイクバージョンで発売されますね!先日「リライト(2016ver.)」のMVを観たのですが、すごくかっこよかったです!ぜひ皆さんも聴いてみてください!